昨日7月15日に、答志と和具では天王祭(てんのうさい)、桃取では豊漁祭が行われました。ということで、答志の天王祭に密着。
この天王祭、いわゆる七夕まつりです。
笹の葉を飾って、盆踊り。という説明を受けていましたが、ちょっとわたしが想像していたものとは違いました。
※今回の記事は普段より少し長めです
飾りつけ
朝5時、3つ並んだ孟宗竹にさまざまな飾りをつけます。3つは答志を大きく分けた世古(せこ)の数です。
上の写真で、手前から東世古、中世古、西世古。
天王祭の開催は青年団が取り仕切ります。本来ならばすべて青年団だけでやるところですが、今は10名程度しかいない為、その上の世代の人たちも手伝って飾りつけをします。
飾り自体は5月のうちから、青年団で集まって作るそうです。準備期間2ヵ月。たしかにそれも納得の量の短冊、くす玉、ちょうちんなどが用意されています。これらの飾りを持ち帰って自宅の笹飾りに使う人もいます。
竹を立てる
飾りつけが済むといよいよ竹を立てます。かつては各世古で競い合うようにして立てたそうですが、OBを含めても人数が足りないため、飾りつけのみ各世古で行い、竹を立てるのはみんなで協力し合います。
特に誰かの指示があるわけでもなく、上手に散らばって持ち場につくのがスゴイ。いつもやっている感があります。
世古の音頭取りの青年団員が、掛け声をかけ、綱を引いていきます。
見事3本の竹が立ち並びました。
笹飾りの奉納
天王祭は神社での祈祷はありませんが、代わりに笹飾りを奉納します。青年団の代表者3名が、美多羅志神社と八幡神社の2カ所を歩いて回ります。
あまりにも暑いし、浴衣に下駄だし、笹は重いしで、もう車でいんじゃね?と思いますが、「今までずっと足で回ってきたのに、前例ができたらまずい」との神社総代さんの言葉が刺さります。
こうやって伝統っていうのは守られていくんですね。
盆踊り
盆踊りは夜7時半から始まります。やぐらと提灯と照明で雰囲気は抜群です。青年団員の歌と太鼓の音が響き始めるとすぐに、踊る人たちの輪ができあがりました。そしてその輪は時間が経つにつれてどんどん大きくなります。
しかし、盆踊りとは聞いていましたが、まさか生歌生演奏とは思いませんでした。島の人たちはそれが当たり前なので、わざわざ言ってくれません。音楽はテープで流して太鼓のみ生演奏、がスタンダードだと思っていたので、常識がまた一つ壊されました。
一つの節を同じ振り付けでひたすら2時間半。結構難しいというか、独特なリズム感の振り付けなので、覚えるまでは大変ですが、見様見真似でなんとか踊れるようになりました。
盆踊りっていいですよね。わたしは好きです。老若男女入り交じり、ただぐるぐる回りながら踊るって、異様な光景ですが、なんとも穏やかな気持ちになります。余談ですが、東京周辺で盆踊りを楽しみたい人には、日比谷公園の盆踊り、オススメです。
景品の争奪戦
盆踊りが終わると竹を倒します。先に載せていた写真にも写っていて気になっている人もいるかも知れませんが、笹飾りにまじって、浮輪やビーチボールなどがつけられています。これらは、竹を倒した後に子どもたちがもらえるものなんです。
どうやってもらうかと言うと、情けは無用の争奪戦です。盆踊りが始まる前から、物色が始まり、各々気に入ったものに目をつけておきます。3本すべての竹が倒れたら、よーいドンでそれぞれ欲しいものめがけて走ります。
おそらくこれは、地域の大事なお祭りに子どもを最後まで真面目に参加させるための知恵なのかな、と考えます。夜10時まで粘った子どもたちは、満足のいくものを貰えた子もそうでない子も、海で遊ぶのを楽しみに家路につきました。
天王祭について教えてくれたみなさん、嫌な顔せずに写真撮らせてくれた青年団のにいちゃんたち、ありがとうございました。