こんにちは、答志島のいがちゃんです。久々に答志弁講座をやりたいと思います。最近では「やや、これは初めて聞くぞ」と思う言葉はあっても、大体文脈から理解できるので、まずそれで意味が通じないと言うことはほとんどないのですが、自作の答志弁メモを見てみると「あー、これは最初の頃苦しめられたな」とか「知らない人がいきなり言われても通じないでしょ」と思う言葉はまだまだたくさんあるもので、そういった「よその人泣かせ」な言葉を今回は紹介していきます。
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たろて
手を伸ばしても取れないものを取って欲しい時に「たろて」と言います。意味がわからなかったら、自分が何か頼まれていることにすら気づけなさそう。手が届くことや、十分に大きさがあることを「たらう」と言うので、その状態にして、と頼む時の言葉が「たろて」なんです。元々は「足りる」からきているんじゃないかな、と思います。
じっちらする
答志島の人も、これは通じないことがわかっているので、よその人と話すときには使わなかったりします。「じっとしている」という意味。「じっちらしとれ!」が一番聞くフレーズですね。
わるわれる
紛らわしいので言えば、なかなかの強者がこれ。「笑われる」と音が似ているけれど、「怒られる」という意味なんです。危険な遊びをしている子どもに、近くの大人が「わるわれーぞ!」と言っていたら「笑われるからやめなさいよ」と軽く声をかけているのではなく、ちゃんと「怒られるぞ」と強く注意していますので。
きんにょ
答志島だけでなく、伊勢志摩地域では結構耳にするんですが、これは「昨日」のこと。耳で聞いたら「金曜」に聞こえるし、文字で見ても「金曜の打ち間違え?」って思ってしまう。日曜に聞くとより紛らわしいやつです。
ここからはさらに困った紛らわしさを持った言葉を紹介します!
かって
「買って」ではありません。鍵をかけることを鍵を「かる」と言うのですが、活用して「かけて」と言う時が「かって」になります。命令形は「かれ」です。この鍵の方の「かって」はさほど面倒なことはありません。
実は「かって」にはもう一つ意味があります。それは「借りて」という意味。「借りる」も「かる」と言うのが答志弁なんですよ。借りるのと買うのの音が一緒だとどれだけ紛らわしいと思います?「誰々から家かっとんのか?」って聞かれたら「いえいえ、借りてるだけです!」ってなるでしょうが!
島の人たちはそれで紛らわしくないの?って思うじゃないですか。島の人「買って」とは言わないんです「こおて」って言うんです。よって騙されるのはわたしだけ・・・。
んない
今でこそわたしも使うようになったけど、最初はまるっきり逆の意味で受け取ってしまって大変でした。「〜しとんないけど」は標準語なら「〜しているんだけど」です。つまり、「んない」が「んだ」の代わりに使われているということ。
「玉ねぎ欲しないけど」と言ったら、その人は玉ねぎが欲しくないのではなく、「欲しいんだけど」と言っているんです。「明日ばあん会いにいくないって」と言ったら、その人はおばあさんに会いに行かないのではなく、行くんです。
ね?全く逆の意味でとらえてしまいません?だって、「ない」ときたら否定だと思ってしまうじゃない?
上の「かって」と合わせてめちゃくちゃ紛らわしかったエピソードがあります。
夜寝る時は玄関の鍵をかけなきゃだめ、という話のとき。言われなくても鍵をかけていたわけなんだけど、それを知っている人が「かっとんないって」と答えているのを聞いて「え、ちゃんとかけてますよ!!」と慌てて言い直してしまったのですが、聞いている側からしたら2人とも同じことを言っている状況だったんですよね。
これを見ていると、答志島に来たばかりの頃、話している言葉を理解するのにひと苦労で、留学したての頃を思い出すくらいに毎日頭が疲れてしまっていた、というのも大袈裟じゃないってわかってもらえるんじゃないでしょうか?
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