「福はーうち!福はーうち!福はーうちいーーー!!」
そんな声を聞きながら書き始めた本日のブログ。こんにちは、答志島のいがちゃんこと五十嵐ちひろです。
今年は節分が普段より1日早い2月2日になっていますが、ここ答志島でもみんな忘れずに豆まきをしています。わたしにとって答志島に来てから4度目の節分ですが、実はブログに書くのは今年が初めてです。
答志島の節分はただ豆をまくだけではありません。節分に用意するものがこちらの写真です。
大きな升に入った豆はこのまま使うのではなく、ほうろくを使って炒ります。そのためどこの家にもほうろくはあるんだけど、毎年節分の前になると必ず商店でほうろくが売られています。
豆を炒るときは豆の木の枝や、イマメガシの枝を燃やした火で炒ることになっているため、コンロを使って炒るようになった現代でも、形式的にコンロの火でこれらの枝を炙るんだそうです。
藁を束ねて作られた「鍋つかみ」を使ってほうろくをつかんで取り扱います。
さて、一般的には節分のときって玄関にヒイラギの枝にイワシの頭を指したものを鬼避けに飾りますよね。答志島ではちょっと違います。枝はヒイラギではなく、先ほど豆を炒るときに火で炙ったイマメガシという木の枝を使います。それも先が二股に分かれている物を用意します。その先にアラクサイワシを丸ごと頭から刺します。これを玄関だけでなく、全ての窓にも飾るんです。
更に、節分の時期だけでなく、1年中飾っておきます。しめ縄と一緒ですね。アラクサイワシは鳥に食べられてしまったりするので、数週間すると枝だけになってしまう家もありますが、それでも次の節分まで飾っておきます。
ちなみに、全部の窓に飾るのではなく、窓の数の分をまとめて玄関に飾る家もあります。窓の数ではなくて12とか13とか決まった数がある、という人もいるのですが、それぞれの家のやり方がある、といったところでしょうか。
子どもの頃のことですが、実家で豆まきをしていたのは子どものわたしたちだったので、節分は子どもの行事というイメージでした。一方答志島では、豆まきは一家の家長の仕事です。まず、家中の部屋で「福はーうち!」と3回ずつ言いながら豆をまきます。そして最後に玄関の外に向かって「鬼はーそと!」と3回言います。どちらも3回目を大きな声で言うのが決まりです。
そして和具ではその後、八幡神社、山の神さん又は大日さんと呼ばれる祠、洞泉庵跡の九鬼の館を回ってそこで豆をまきます。この時は特に掛け声はありません。そして最後に港へ行き、船にも豆をまきます。豆は大きな升に入っていますが、升を持つ手には日の丸が描かれた扇を一緒に持って豆まきをします。
大体2時半~5時頃に豆まきをしていたみたいです。家にいても何度か「福は―うち!」「鬼は―そと!」が聞こえてきました。
ちなみに、節分には厄年の人が厄落としをすることになっています。四つ角(十字路)へ行って、お金を落とすんだけど、落としたら振り返ってはいけないんだそうですよ。節分の夕暮れ時に答志島をぶらぶらしたらお金が拾えるかも。
さらに節分の日は一応決まった食事のメニューがあるんです。商店に買い物に行ったら「節分めしの・・・」と話すのが聞こえたので聞いてみたら、刺身にゴボウやレンコンなどの煮しめ、煮魚というのが定番だそうです。今でこそ普段の夕食って感じがしますが、昔の人にとっては貴重な贅沢の機会だったのでしょうね。
明日は立春、暦の上では春の始まりです。昨年から続く新型コロナウィルスの流行のせいで、いろんな行事が中止や縮小になっているけれど、こうやって家の中でできることはいつも通りにやって季節を感じたいですね。
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濱口一利 (木曜日, 11 2月 2021 07:19)
思いっきりコロナ退散❗️でした
いがちゃん (土曜日, 27 2月 2021 14:32)
一利さん
コロナーそと!も結構いたみたいですね。