こんにちは。答志島のいがちゃんこと五十嵐ちひろです。この数週の間に世界がガラッと変わってしまったような感じがします。
地域おこし協力隊の卒業のタイミングとも重なり、始めようと思っていた外国人観光客向けのツアーはとてもじゃないけどできない状態で、同時に働き始めたオプショナルツアーの会社海島遊民くらぶも休業を余儀なくされてしまいました。幸い夫はこんな中でも続けられる(続けなければならない)仕事に就いているので、どうにか生活はできていますが・・・。
コロナ禍と言われるこの状況の中で、答志島の人たちはどのように生活しているのでしょうか。
漁師は普段通り仕事
漁師さんたちは普段通り仕事をしています。変わらず船を出し、釣りや網で魚を獲り、市場に揚げる。しかし、旅行を控える人たちが増えてから、旅館や飲食店での魚の需要が無くなり、魚価が下がっているんだそうです。同じように仕事をして同じように魚を獲っても、収入は普段より振るわない。ちょっと精神的にきついですね。それでも漁師さんたちは漁に出るんですよね。
4月いっぱいはわかめの養殖、加工の仕事をする人たちもいます。学校が休みになっているので、手伝いをする子たちも多く、少し助かっているのかも?小さい頃から休みの日にめかぶを削いだり、茎を抜いたりと手伝いをしている子たちは十分な戦力になるので。
新型コロナウィルス拡散防止のために、あらゆる状況で3つの密を避けることが求められていますが、屋外の作業は問題無さそうだし、元々ある程度の距離をとって作業しているし、納屋での仕事は家族でするし、換気もしているからセーフといったところでしょうか。
旅館は休業
4月初旬くらいまでは多くの旅館が通常営業していましたが、今はどの旅館も休業しています。お客さんを取れず、収入が無くなってしまうのは大変なことですが、島の外から来る人によってウィルスが持ち込まれるのを防ぐという観点から、非常に賢明な判断だと思います。三重県から宿泊業者を対象に交付される、ゴールデンウィーク中の宿泊予約に対して延期やキャンセルをした場合の協力金の交付決定が4月20日に発表されたことも大きく後押ししているでしょう。
旅館の人たちは、自分たちでできる修繕をしたり、SNSで情報発信したりなどして過ごしているみたいです。
外出の自粛と来島の自粛要請
普段は漁師さんが休みの土曜となると、買い出しやレジャーで出かける人たちで船が満員になりますが、今は船に乗る人が少なくなっています。答志島は島内に商店も飲食店もありますから、基本的に島の外に出て行かなくても生活しようと思えばできます。そして現代ではネットスーパーを利用する人も多く、週末の買い出しの代わりに島の商店やネットスーパーでの買い物を増やしてやりくりしているのでしょう。
そして、島外に住む家族に帰省しないように呼び掛けています。県外に住む人はもちろんですが、鳥羽や伊勢に住んでいる人も多くいます。こういう人たちは普段は週末などに気楽に島に来て、友人と会ったり、子どもを親に預けたりしているのですが、今は来島を自粛しています。
また、答志も和具も桃取も良い釣りスポットなため、普段は島外から多くの釣り客が来ます。釣り自体は屋外で、個人がするものですから、コロナ禍の中でも問題の無い趣味だと思われるかも知れませんが、答志島に釣りに来るには必ず定期船を利用します。客席で他の乗客と同じ空間にいるときや、手すりに触るとき、待合所でトイレを利用するときなど、ウィルス拡散のリスクは様々な場面にあります。その為、釣り客にも来島の自粛を求めています。
マスクをする人も
ちょうどマスクが品薄になり始めてきた頃、定期船に乗ると8割くらいの人がマスクをしていましたが、みんな島の中では外していました。ところが最近では島内でもマスクを着けて生活している人がちらほらいます。手芸好きな人はマスクを自作していますね。
島にいる限りは安全
島にいる限りは基本的には今までとあまり変わらない生活をできるのかな、と思います。普段から病院行くくらいしか外に用事が無いようなお年寄りだったら、今まで通りの生活しているんじゃないかしら?子どもを持つ人も、島の中でならどこでも遊ばせられる、と言っていました。人があふれかえっているスーパーも無いし、日向ぼっこしたり海を眺めたりして気晴らしができる分、都会の人より恵まれているかも。
答志島には高齢者の方が多いです。そして、病院は桃取にある市営の診療所1軒のみです。もし答志島に新型コロナウィルスが入ってきたら、立ちどころに広まり、助からない人も多くなってしまうでしょう。とにかく今は「ウィルスを島に持ち込まない」という対策をみんなが協力し合ってしています。
コメントをお書きください