こんにちは。答志島のいがちゃんこと五十嵐ちひろです。ずーっと前に、島の人って島の中は家だと思っているんじゃない?って話をしたのですが、気がつけばわたしもそうなっていました。
島の中では部屋着かな、って思うような恰好をしているのに、よそ行き(定期船に乗って出かけることをこう言います)するときにはキッチリ決める島民たち。そのファッションにもう少し切り込んでみましょう。
島の中ではほぼ部屋着
島の人たちの島での格好にはいくつかのパターンがあります。夏はとにかくオリジナルTシャツ。それにジャージかハーフパンツを合わせるのが定番です。島の人たちはオリジナルTシャツが大好きで、業者(魚のキスがキスしているやつとか、背中に大きく鰆と書いてあるのとか)、同級生(その学年の干支2種が描いてある)、婦人会、寺の役員などさまざまなグループでTシャツを作っています。
夏に島を歩くと、何種類ものオリジナルTシャツに出会えるはずです。ちなみに生地はポリエステルの通気性のいいやつです。わたしはコットンの方がかっこいいと思うんだけど、乾きやすく涼しいという機能性の高さから重宝されています。あとよく見かけるのは、漁に出るときや浜で作業するときなんかのカッパとヤッケ(撥水性のある薄手の上着)姿。
イラストも使ってくわしく見ていくことにしましょう。
島の中での女性の服装
あくまで一般例としてなんですが、島の女性たちは島の中ではあまりメイクはしません。ただ、漁師さんの奥さんは屋外で水揚げしたり、船に乗ったりするので、日焼け止めはしっかり塗っているって感じ。だから眉毛を描いたり口紅を塗ったりしていると、よそ行きか?って聞かれる。
あと島の中ではあまりバッグを持ち歩かないので、それも見分けどころ。買い物のときもツケ払いできちゃうので、財布も持っていない場合も多いです。バッグを持っている人でも近所の買い物用と、よそ行き用で違うので、見ればわかります。
若いお嫁さんとかメイクやオシャレが好きな人はもちろん毎日ちゃんと身なりを整えているんですけどね。ここらへんは主義や趣味で分かれるところです。
島の中での男性の服装
男性はかなり年季の入った服を着ていることが多いです。長袖ポロシャツとかヤッケとか、着れるうちは着続けるという気概が見てとれる。やっぱ島の中は家なのかも、って思いますが、さすがにパンイチとかで歩いているのは見かけないので、庭くらいなのかなあ。
なにか作業するわけでなくても長靴を履いているのはよく見かけます。あとはクロックスですね。脱いだりはいたりが楽だし、多少は走ったり作業したりもできるという点でとても優れた履物です。
青年たちは大体みんなイラストにあるような恰好をしていますね。キャップもよくかぶっている。髪型は祭り前になると黒くなったり、坊主になったりします。坊主は遅刻のペナルティーです。
島の中でのご老人の服装
仕事も引退して、家事もお嫁さんたちに任せてしまっているおじいさんおばあさんたちの島での服装は動きを制限しないものが多いです。ご老人が着る服はどこでもそんな感じだと思いますが。おじいさんたちは、足首のキュッとしまったジャージを良く履いています。おばあさんたちも手首がキュッとしまるヤッケを着ていますね。よく見るのは花柄とかペイズリー柄で紫色っぽいもの。寒くなってくるとごんじ(ネックウォーマー)は必須アイテムです。
こんな服装が島の中では当たり前の格好なのですが、ひとたび出かけるとなると、もうまるっきり違うんですよ。
よそ行きのときの女性の服装
普段はみんながみんな上にあるような服装だけど、船に乗るときに会うと、「この人の服の趣味ってこんな感じだったんだー」と分かるのが面白いです。
よそ行きのときの男性の服装
若い子たちの変容がとにかくすごいです。みんな雑誌に載っているみたいな恰好している。もしわたしが島に生まれたら、週1回の外出の為にあんなにおしゃれになれただろうか・・・。
ブランドもののジャージを上下揃いで着たりするのも結構おしゃれですよね。よそ行きするときはクロックスも長靴も履きません。おじさんたちもちょっと新しめのポロシャツを着たり、ジーンズを履いたりします。
ただ、島にいるときとよそ行きのときでまるっきり同じ服装というおじさんたちも一定数います。
よそ行きのときのご老人の服装
おじいさん、おばあさんたちを見ていてもやっぱりよそ行きのときは分かるものです。ふだんよりちょっといい上着を着ていたり、若々しい柄のものを身に着けていたり。なによりセカンドバッグやウエストポーチ、リュックサックなどのよそ行き用手荷物を持っているのが目印かな、と思います。
いがちゃんはどうか
さて、かく言うわたしも、島の中にいるときはほとんどメイクもしなくなっちゃったし、ちょっと汚れたズボンで歩くのも平気になっちゃったし、オリジナルTシャツは着るし、大分島の中が家になってきました。
また、島の中でのスタイルもさることながら、よそ行きするときの気合の入り方が以前とは違ってきましたね。伊勢のヤマダ電機に行く、志摩のクレープ屋に行く、明和に映画を見に行く、その程度でもおしゃれするようになってしまいました。以前なら、「島を出た所でどこも田舎だし、そんなに気合入れる必要ないっしょ」と思っていましたが、かと言っておしゃれしたくなるような都会へも頻繁に行くことは無いから、ちょっとそこまでのお出かけでもワンピースとかヒールのある靴とかを身に着けることになるんですよね。
いがちゃん、島ぐらし3年目にしてみんながよそ行きするときにおしゃれする心を理解する・・・。
コメントをお書きください