新年明けまして、おめでとうございます。答志島のいがちゃんこと五十嵐ちひろです。この年末年始も埼玉へは帰らずに、答志島やその周辺地域で過ごしました。初日の出を見に御浜町の七里御浜へ行ったり、伊勢神宮へ初詣へ行ったりね。
お正月とお盆の答志島は、帰省の人であふれかえり、別の島に来たんじゃないか、ってくらいわたしにとっては知らない人ばかりになります。そんな中にもわたしのブログを読んでくれていたり、インスタをフォローしてくれたりする人がいて、お酒の席に行くとそういう人たちに知りあえます。そして「すごく懐かしく思いながら写真を見ている」とか「ブログで久々にあの行事のことを見た」とか「普段なかなか帰れなくて島の様子が分からないから、ああいう形で発信してくれてありがたい」と言ってくれるんです。趣味半分、地域おこし協力隊としての活動半分で続けているブログでほとんど関係者の人しか見ていない、って思っていたけど、関係者の人に楽しんでもらえて感謝してもらえているのなら、すごく意義があることをしているんじゃないか、という気持ちになれました。
お祭りとか行事の類って毎年同じことやっているし、「これに関しては去年も書いたしいっかー」と思いがちだったけれど、やっぱりその年なりに感じることもあるし、内容がかぶっても何回も同じ説明をすることになっても、発信を続けようと思います。
さて、そんなわけで、答志島でのお正月の風物詩「獅子舞」について今年も紹介します。獅子舞は年に2回、お正月と答志地区の神祭のときに舞います。帰省組の人たちも多くは3日までに元居た所へ戻ってしまうので、毎年1月4日に行う獅子舞はなかなか見る機会が無いと思います。
この獅子は、「おしっさん」と呼ばれて親しまれ、お正月には答志地区と和具地区をまわります。朝、美多羅志神社に舞いを奉納した後に、答志地区の「祷屋」と言われる当番の家と新築の家をまわります。和具地区では、漁協の集荷場のみで舞います。
この日、おしっさんは1日かけて答志と和具をまわります。朝8時の神社から始まり、和具の集荷場に来るのは大体15時くらいです。和具では14時くらいに「本日の獅子舞は15時頃を予定しています」と町内放送がかかります。そして、獅子舞をまわす十体の人たちが到着すると太鼓をたたく音を放送し、人を集めます。
毎年、前年に子どもが生まれた人は、おしっさんにお餅を進ぜます。棒に巻き付いた餅は「わりき餅」と呼ばれ、男の子が生まれると奉納するものです。そして、「おんび餅」は女の子が生まれたときに奉納するもの。見た所ふつうの紅白の丸餅ですが、本来は大きなおんび(あわび)に餅をのせたものだそうです。和具出身で島外に住む人の子どもも含めて、昨年和具町内で生まれた子供は4人だったんですね。
太鼓と笛の音が鳴り始めると程なくしておしっさんの登場です。場に入ってくるなり、子どもたちの「ぎゃーーーーーー!!!」という悲鳴が響き渡ります。最高だ。こうでないと。下のインスタの投稿2つ目の動画を音声オンで見てみてください。ばっちり悲鳴が聞こえます。
画面左に並んでいるのは漁協の役員さんたちで、前に並べた日本酒をおしっさんに進ぜます。その際に、一升瓶に扇子を添えておしっさんの口に運ぶのですが、いたずら好きのおしっさんは、その扇子もろとも食べてしまうことがあります。そして、一度口に入れた扇子をぺっと吐き出すと場内は笑いにつつまれます。
また、おしっさんが目の前に来たので、日本酒を渡そうとすると「やっぱやーめた!」と言わんばかりに、首をプイと背けて別の人の前に行くのも大ウケです。
先ほど紹介したわりき餅とおんび餅の他にも奉納される餅があるので、それらをおしっさんはいったん口に入れるのですが、すぐに豪快に吐き出します。一度奉納された餅は縁起物なため、前の方に陣取った人たちはそれを貰おうと飛びつきます。わたしは、いい写真を撮るためにいい位置に構えているのですが、この手の競争は苦手なため、まるで手がでません。(※餅まきの記事参照)
また、和具地区では、お菓子も奉納されます。ちょっとしたお菓子を詰め合わせた袋を一度口に入れ、それを豪快にまくおしっさん。そういえばブリも今年は投げていましたね。目の前に飛んできたのでびっくりしました。
漁協役員さんたちが持っていた日本酒がすべて無くなると、獅子舞まわしはクライマックスを迎えます。太鼓をたたくテンポが速くなり、おしっさんも激しく舞います。あらかじめ集められていたお賽銭がすべておしっさんの口の中に納められたら、おしまいです。
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