こんにちは、答志島のいがちゃんこと五十嵐ちひろです。今年最後の記事は、今年最後の行事、大祓式(おおはらいしき)についてです。
大祓式は罪や穢れを取り払う為に行われる神事で、美多羅志神社で年に2回行われます。1回目が6月30日、2回目が今日12月31日です。ということは、人は日々の生活で半年に1回浄化しなければならないほどの悪いものを身体に溜めこんでいるんですね。
大祓では人形(ひとがた)を使います。あらかじめ各家に家族分の人形が配布されるので、そこに氏名、年齢、性別を書き、息を吹き込みます。息を吹き込むことで、自身の災禍を人形に移すんですね。身体の悪い部分を人形でなでる人もいます。
最近だと島の外に住んでいる子どもには、島にいる家族が代理で氏名、年齢、性別を書き、それをスマホで撮影して写真を送り、息を吹き込むように言ったりもするらしいです。技術の進歩と共に神事もアップデートされている・・・!
そして、人形は大祓いの前に回収され、氏子皆の分が束ねられます。
大祓い当日には、神社総代(役員)や漁協、町内会役員などが参列し、敬神生活の綱領および、大祓詞(おおはらへのことば)という祝詞を唱えます。この大祓詞、結構長い文章なんですよ。
高天原に神留まり坐す 皇親神漏岐 神漏美の命以ちて 八百萬神等を神集へに集へ賜ひ 神議りに議り賜ひて 我が皇御孫命は豊葦原瑞穂國を安國と平けく知ろし食せと 事依さし奉りき・・・
と始まり、この10倍くらいの長さです。内容としては、神話のストーリー、そして人々が罪を持つこと、どのようにして罪が祓われるか、というようなことを言っているみたいです。
その後、人形に息を吹き込み、他の氏子の人形と一緒に束ねます。式の参列者は氏名等は書きません。そして、神事に使われた榊、笹と共に神社総代さんたちが海に運びます。美多羅志神社は答志と和具の2つの集落の人たちが氏子となっているので、答志の海と和具の海を交互に回るんです。12月は和具の番なので、和具の海へ行きます。
行く道すがらは、宮司さんが道を清めながら行きます。意外とここでは何か唱えたり、または黙って行かなければならなかったり、ということは無くて、色々世間話しながら行きました。和具大間に着くと、人形を束ねた俵と笹と榊を海に流します。
↓この動画は今年6月のものですが、大祓い式の全体を見ることができます。
こうして、1年で最後の行事が終わりました。改めて今年を振り返ってみると、本当にあっという間でした。ひと月ふた月くらい抜けてたんじゃないか、っていうくらい。島の生活には慣れたけど、まだまだここでの暮らしを楽しいと感じます。
地域おこし協力隊として丸1年過ごせるのは来年が最後。来年の今日には、ちゃんと退任後の身の振り方が決まっているといいなあ。また来年もこのブログで答志島の暮らしをお見せしますので、応援よろしくおねがいします。
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