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086 いがちゃん、永住やな "This is your permanent home, isn't it?"

タイトルのような言葉をこの1年で何度もかけられました。いがちゃんこと五十嵐ちひろです。さてその答えは?わたしってこの答志島に永住するの?っていうのを話す前に、まず永住ってなんですか?

永住と定住

永く住むと書いて、永住。一般的には死ぬまでそこに住む、という意味で使われている言葉かと思います。「移住者が来た!」となると、一般の人は「永住するの?」と考えます。一方、移住の分野に明るい人は、めったに「永住」という言葉は使いません。彼らがよく使う言葉は「定住」です。大辞林には一定の場所に住居を構え、そこに住みつくこと。と書かれています。

 

そして、わたしのように地域おこし協力隊として地域に移住した場合、任期終了後もその土地に住み続けることを「定住」とすることが多いです。なので、現時点ではわたしは、まだ移住しただけで、永住はおろか定住もできていない、という結構宙ぶらりんな存在です。

 

地域おこし協力隊としての仕事について書いた記事はこちら ⇒ 地域おこし協力隊五十嵐ちひろ隊員の仕事とは?

海岸

答志島にできるだけ長く住みたい

ただ気持ちの上ではね、わたしは定住する意思があります。地域おこし協力隊の制度が元々地方への定住者を増やす為にできた制度である、ということもあるし、地域をおこすって、はっきり言って協力隊の任期の3年というスパンじゃあ短すぎて成果が見えないからつまらないし、そもそもこの土地を好きになって住むからにはある程度長い時間ここにいたいなー、って思うし、住み始めてからもその気持ちはどんどん大きくなってきているし。

すべての人が永住するか分からない

しかし「永住」と言われるとそこは明言しかねます。なぜか。では聞きます。あなたは、今住んでいる場所に永住しますか?つまり、死ぬまできっとその場所に住んでいますか?

 

ここで「自分はここに永住する」と言いきれる人がどれだけいるのでしょうか?

 

転職や転勤で別の場所に行くかもしれない。より良い子育て環境を求めて隣町に家を買うかもしれない。夫や妻の都合で相手の実家に同居することになるかも知れない。逆に同居を解消するかも知れない。病気の治療の為に入院するかも知れない。そもそも永住ってどの範囲を指すの?この家?この町?もう少し広い地域?

 

こうして考えてみると、永住するって未来の形では使えないような気がします。ある人が亡くなって、その時に居住していた場所に長く住んでいたとしたら、その人の永住の地がそこだった。と言えるだけなのでは?

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島の人たちは、代々島で生まれ育ち、ここでその生涯を終えるのが普通でした。今でもそれを普通だと思っている人が大半でしょう。しかし、個人個人がその生涯を終えるまでこの先も島に住み続けるのか、それを100パーセントの確信を持って答えられる人はいないと思うのです。その点については移住者であるわたしと島で生まれ育った人は対等ではないでしょうか。

永住するかなんて答えられないけど

「いがちゃん、永住やな」と言われて「じゃあ聞きますけど、あなたも答志に永住しますか?永住の定義ってなんですか?」なんて言ったら煙たがられそうなので言いませんが、「なるべく長く住んでいたいって思っていますよ」と伝えるようにしています。「永住」って言葉はちょっと重たいんです。「居着つくのか?」「住み続けてくれよな」それくらいの声をかけてもらえたら、元気に「はいー」って答えられると思います。