こんにちは、暑いのも寒いのも苦手な五十嵐ちひろです。気持ち穏やかに過ごせる季節が終わろうとしています。さて、以前わたしは島内の「島の旅社」という団体のお手伝いをしていると紹介しましたが、この島の旅社の目玉商品とも言える「浮島自然水族館」が今年もオープンしたのでお知らせします。
島の旅社について書いた記事はこちら ⇒ 島のかあちゃんと街歩き、島の旅社
浮島は桃取地区の沖900mほどの所にある無人島です。この浮島には大潮の日の干潮時にだけ現れる岩場があります。この岩場を利用して、夏の間の限られた日にだけ、色んな海の生物を観察するのが浮島自然水族館です。
潮の満ち干きによって海に沈んだり、海の上に顔を出したりする磯場には、たくさんの生き物が住んでいます。さまざまな貝、ウニ、ヤドカリ、ヒトデ、ウミウシ、カニ、魚の稚魚、イソギンチャクなどが見つかります。珍しいところで言うと、タコやエビ。島の旅社の浮島自然水族館では、見つけた生き物をみんなで観察します。しかし、観察のために捕まえた生き物は決して持ち帰れません。浮島自然水族館は、自然を一時的に借りて体験のフィールドとしているだけなので、生き物は必ず海にかえし、生き物を探すためにひっくり返した石や岩も元に戻します。
自然の中で体験をしているので元の自然のままに戻す、ということも大事なのですが、ここは桃取の漁師さんや海女さんたちの漁場でもあります。そう言った意味でも、不必要に荒らしてはいけないのです。
浮島自然水族館で学ぶのは単に生き物の種類や生体だけではありません。シーズンの初めには、島の旅社のスタッフが海岸の清掃を行っています。ほんの少しの時間、たった10~20m程度の海岸を歩いてゴミを拾うだけですが、ゴミ袋がいくつあっても足りないほどのゴミが見つかります。ペットボトルやビン、お菓子の袋、ビニールポットなど、人が捨てない限りは海岸にうちあがることはあり得ない物ばかりです。参加者の方たちにもそのことを伝え、環境問題について考える機会にもします。
浮島自然水族館は一見子ども向きの体験プログラムのようで、実際にお客さんのほとんどが子ども連れの方たちですが、個人的には大人にもぜひ体験してもらいたいんです。なんでって、楽しいこと間違いなしだから。だって、普段海に行っても、なかなか生き物観察しようって思わないでしょう?捕まえてやったー!なんてはしゃげないでしょう?でも、ここ、浮島ならできてしまうんですよ。大人でも楽しいっていう根拠はわたし自身と島の旅社のスタッフの人たち。
ついつい、珍しい生き物を見つけてやろう、って燃えちゃうんですよね。もちろん参加してくれている人たちに見せる為もあるけど、やっぱり単純に楽しいんですよ。今年の初日に見つかった生き物の中では、メバルの稚魚、ワタリガニが珍しいところでしたが、どちらも捕まえたのはスタッフのさちえさんでした。
別の無人島でフィールドワークを行ったときの話はこちら ⇒ 無人島で不思議な岩探し
子どもに戻った気持ちで楽しみましょう、というわけではなくて、大人なら大人なりにそれぞれ興味の対象がはっきりしている分、ニッチな楽しみ方もできるのかな、と思います。シーズン中何度か来てくれる鳥羽市の水産研究所の岩尾博士は、専門分野が海藻ということで彼がいるときは海藻紹介タイムが設けられるのですが、大体感心して聞いているのは大人の参加者です。興味深い。
また、フィールドが無人島ですので、小舟に乗って行きます。それだけでも十分テンション上がっちゃいますよね。
転んだり、深い所までずんずん入って行ってしまう可能性のある人は着替えの用意をしていきましょう。また、周りは海で水だらけなので、トイレが近くなりがち。当然浮島にはトイレなどありませんので、桃取の定期船待合所で済ませておくのが無難ですよ。水の中にはいて行ける靴を用意しておくと、とても快適に体験ができるでしょう。お昼持参の場合は必ず保冷して来てください。桃取地区にはイートインできるパン屋さんがあるので、体験後にそちらに行くのもオススメです。それ以外に昼食のとれるお店はありません。
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