こんにちは。島の移住者、五十嵐ちひろです。わたしの住む答志島の和具地区と答志地区はただいま絶賛お祭りモード。なぜかと言うと、20年に1度のお祭り「御木曳(おきひき)」を2日後に控えているから!!
答志地区と和具地区の中間にある美多羅志神社(みたらしじんじゃ)は、20年ごとに遷宮(本殿の建て替え)を行います。伊勢神宮の末社であることから、神宮のそれに倣って、行う年こそ違えど、同じように20年ごとに建て替えているのです。その建て替えの際に使う材木をお宮までひいて行くのが「御木曳」という行事です。
これまで記録に残っている限りで15回の遷宮があり、美多羅志神社には少なくとも300年の歴史があるということが分かります。
御木曳って?
御木曳ではどんなことを行うかと言うと、単に運ぶのでは無く、歌を歌いながら「お木車」と呼ばれる車を引っ張ります。お木車の上には新しい本殿を建てる際に使用する建材と「屋形」が乗り、「音頭取り」の若者たちが車の上で歌います。
答志を3つの世古(地区)に分け、それに和具を1つの世古として加えた4世古で、各世古「音頭取り」という代表で歌を歌う人たちを出します。音頭取りは2人1組で歌い、基本的には青年2組、子ども2組の4組が組まれます。20年前の音頭取りが師匠となって、この年の音頭取りを指導するのが習わしです。その前の40年前の音頭取りの方々は大師匠(おおししょう)と呼ばれます。
その他に「梃子持ち(てこもち)」という人たちがおり、お木車を家や電線にぶつけないようにコントロールします。
遷宮の仕組み
伊勢神宮の末社では同じように20年ごとに遷宮する神社があるようですが、中には伊勢神宮の遷宮の前に使われていた材木をお下がりで貰うところもあるそうです。一方答志島は全て新品ですので、海の恵みによって金銭的に豊かな所と見栄っ張りな所は昔から変わらないんだな、と感じます。
伊勢神宮の場合は新しい本殿を横に立ててから古い方を取り壊す、というやり方で、20年ごとに左右に移動しますが、美多羅志神社は同じ場所に建て直します。
20年ごとである理由は、技術の継承の為にちょうどいい期間だとか、神聖な場は常に新しくなければならないとか、そういったことだそうです。
御木曳前日の明日は奉納演芸で、各種団体が踊りや歌を披露します。わたしも文化保存会の仲間に入れてもらって「富士参り」の踊りを踊りますよ。
実際に新しい本殿が建つのは2年後の2020年で、その時にはまた盛大にお祝いします。
コメントをお書きください
御木曳祭ではお世話になりました。 (月曜日, 04 6月 2018 08:11)
先日、観光で答志島を訪れた際、神社でお祭りの件を教えていただいた者です。サイトの内容から恐らくそちら様と思いコメントさせていただきます(^-^)間違っていた場合はご容赦ください。
奉納演芸も御木曳も島の方々の結束力の強さがうかがい知れる素晴らしいものでした。迫力があって、若者は力強く、日本にもまだこんなに元気な地域があるんだなぁと感激しました。伝統をまもり続けるのは大きな努力が求められるので、皆様がどんなに頑張っていらっしゃったのかを考えると、胸が熱くなりました。
ふらっと立ち寄った私にも親切にしてくださって、伝統的で貴重なお祭りに触れさせて下さったことに感謝いたします。
皆様にもよろしくお伝えいただければと思います。機会がありましたら、お祭りが終わり日常の静けさを取り戻した答志島にもまたうかがえればと思います。
いがちゃん (水曜日, 06 6月 2018 08:08)
一人旅のお姉さん
神社でお会いしたのは、確かにわたしです。ブログを読んでくださり、ありがとうございます。
観光で来られた方にも是非お祭りを楽しんでもらいたい、答志島の良い所を知ってもらいたい、という思いが皆にあり、ぜひ当日も来られることをお勧めしましたが、楽しんでいただけたようで良かったです。
ぜひまた答志島にお越しください。案内いたしますので。