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070 無人島で不思議な岩探し Searching the wonder rock on a desert island

こんばんは、誘われれば大体断らないいがちゃんこと五十嵐ちひろです。

今朝、ある筋からのお誘いがあって、地質調査のフィールドワークに参加させていただきました。場所は、答志島の北東に浮かぶ無人島、大築海(オオヅクミ)です。船が無いと行けない場所で、なかなか上陸する機会も無いので、楽しみに行って来ました。

海上から見た大築海
写真中央あたりの大きな島が大築海です

答志港からオオヅクミまでは船外機(動力付きの小舟)で5分程度です。振り返って見える、普段見ることの無い方向からの答志島の姿が新鮮に感じます。

東から見た答志島、答志地区
この方向から答志の町を見ることはなかなかありません

オオヅクミの砂浜は緑色をしていました。細かい砂も石も緑みを帯びた色のものが多いので、目に緑のフィルターをかけたみたいに見えます。

砂が緑みをおびている
緑色の砂浜
様々な種類の岩石
「岩石の博物館」と言ってもいいほどいろんな種類の石や岩があります。

今回同行させていただいたのは地質調査のチームですので、当然地学の専門の方がいます。「かんらん石」「玄武岩」「石灰岩」「セキエイ」「マントル」「しゅう曲」「変成」などの言葉を使って説明していただいていると、中学生に戻ったような気分です。

黒い色が美しいかんらん石
かんらん石はマントルから出てきた溶岩が冷えて固まったもの
かんらん石の断面アップ
かんらん石の断面はミルクチョコレートを割った断面のような模様でした
岩で埋め尽くされた浜
地層が露出してできた岩もあれば、海を流れてきた大岩もある。堤防の無い場所独特の荒々しい浜です。

ぐにゃぐにゃに曲がりくねった地層や、断層は天然の博物館と言えるでしょう。答志島にいると、地層はさほど珍しいものではないですが、自分が小中学生の頃を思い返してみると、近所にこんなにくっきりと地層を確認できる場所なんて無かったので、ここはすごく恵まれた土地なんだと感じます。

ねんりんのような地層が見える岩
ねんりんのような地層が見える岩

下の画像はくっきりと見える断層です。断層とは地下の地層もしくは岩盤に力が加わって割れ、割れた面に沿ってずれ動いて食い違いが生じた状態Wikipediaより引用)です。断層ができるときは大きな力が加わるので、断層面の地層が一度壊れてしまうんですって。そして再び固まってできた石は、もとの地層の形が無くなって新しい石になっています。次の写真が断層によってできた新たな石。だいぶワクワクが高まってきました。

大きな断層
断層の左右で地層が食い違っています。
断層によってできた石
上の写真のアップ。右上からナナメに走る断層の左側にぐちゃぐちゃになってから固まった石ができています。これが断層によってできた新しい石。

次の写真で見てもらいたいのは妊娠線みたいな白い部分。この白い層を見ると、どの方向から力が加わって地層が歪んだのかが一目瞭然!!(※専門家には)教科書に載せられるくらい分かりやすい岩だそうです。残念ながら持ち帰れるサイズではありませんでしたが。

断層ができたときに加わった力の動きが分かりやすい岩
断層ができたときに加わった力の動きが分かりやすい岩

ここは堤防も無ければ、埋め立てもされていないので、本当にたくさんの種類の石や岩が流れ着きます。隣の菅島にたくさんあるかんらん石もあれば、神島のカルスト地形が作られたのと同じ成分の石灰岩もあります。

乳白色の石灰岩
プランクトンやフズリナの死骸の堆積でできる石灰岩
神島のカルスト地形
神島のカルスト地形

地質の勉強もとっても楽しいのですが、趣味で絵を描く身としては、自然の作り出す色や模様の美しさにはくやしさを感じます。わたしだけでなく、多くのアーティストや、デザイナーが嫉妬を禁じ得ない完璧な模様もここでは多く見つかります。

この後船で、島の北端を回って不思議な穴のあいた崖を見てきました。島の人たちは盲目の人が杖をついた跡のようだ、なんて言っているようですが、この穴を作ったのは・・・。

海に面した崖に無数の穴が空いている
岩壁に無数に空いた穴・穴・穴

実は塩がこの穴を作っているんだそうです。答志島の北側は強風にさらされるため、高い所にも海水が当たります。水が渇くと塩が残りますが、その塩が結晶を作り、だんだんと大きくなるにつれて岩を削るのだそうです。そうやってできたのがこの穴なんだとか。塩、強いな。

最期の写真は、今回一番注目の岩です。流れ着いた大木のように見えませんか?ねんりんのように丸く層を作り、また浸食の仕方も木そのもの。ちゃんと見てみれば岩なんですけど、見つけた人が「木の化石?」と思ってしまったのも納得。

 

今回のフィールドワークは、とっても楽しい無人島探検になりました。もっとたくさんの人にこの楽しさを味わってもらいたいなあ、と思うとやはりわたしが勉強するしかないかしら・・・?

 

せっかくなのでちょいと宣伝しますが、無人島や、海上から見る島の自然に興味を持たれた方は、ぜひ漁船体感クルージングを体験してみてください!以前こちらの記事で紹介した「島の旅社」で行っています。無人島への上陸はできませんが、漁船で島の周りをクルージングすることができ、海上からでないと見られない景色を楽しめます。興味のある方は、島の旅社までお問合せください。

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コメント: 4
  • #1

    hareruzo naoki (木曜日, 03 5月 2018 10:33)

    たくさんの写真をアップして頂きありがとうございます。大築海は大変素晴らしい場所です。日本列島の創世記の岩脈がたくさんあります。市民の方をはじめ、たくさんの方に体験して頂きたいですね。上陸が困難かもしれないけどなにかの対策も必要かな。今後ともお付き合いをよろしくお願い致します。

  • #2

    濱口一利 (木曜日, 03 5月 2018 13:17)

    多くの写真と説明、有難うございます。津村さんの説明で納得できました。
    7、8年前に感じた「木の化石」?とのドキドキ感、昨日の説明で良く理解出来ましたが
    地層のくびれ、わん曲、ねじれなどでできた岩石など、やっぱり楽しかったです。

  • #3

    濱口茂 (金曜日, 04 5月 2018 22:40)

    答志島の紹介、読んでいます。
    私の父が答志島の出身で、私もまだ本籍が答志のままなのです。
    年に一度位しか行けないのですが、懐かしいなぁとか思いながら読んでいます。
    答志での生活頑張ってくださいね。
    楽しみにしています。

  • #4

    いがちゃん (月曜日, 07 5月 2018 09:41)

    hareruzo naokiさん
    すぐそばに、こんなに良い場所があるなんて知りませんでした。
    企画していただき、ありがとうございました。

    一利さん
    今まで行ったことが無かった場所に上陸できて大変楽しかったです。
    この経験をうまく活用できたらいいのですが・・・。

    濱口茂さん
    答志にゆかりのある方に楽しんでいただけているのは、とても嬉しいです。
    もっともっとたくさん発信できるように頑張ります。
    応援ありがとうございます。