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058 ローカル感抜群!和具の神祭【後編】 It's so local!! Jinsai-festival in Wagu 2

こんばんは、今晩2度目の更新、答志島のいがちゃんこと五十嵐ちひろです。前の記事に引き続き、和具の神祭についてです。 

前の記事で紹介した弓引きのシーン。
前の記事で紹介した弓引きのシーン。

和具では、他の地域の神祭と同じように弓引きを行った後に、小宴が開かれます。これは直会(なおらい)と言い、神様にお供えしたお神酒を飲み、食べ物をみんなで食べる宴です。美多羅志神社の宮司さんによると、お神酒をいただくのは、神様に供えて神霊が宿った酒をいただくことは、神霊を自分の身体に取り込むことなのだそうです。また、昔はお供えした物・神饌(しんせん)を食べることで、身に宿る邪悪なものを追い払い、正直な気持ちで村の運営について意見を出し合い、親睦を深め、取り決めを行うことを目的に宴が開かれていたのだとか。

 

答志神祭の様子はこちら1日目 2日目 3日目

 

 

弓引きから約1時間後、宴が始まりました。各家の家長が集まり、斎庭の中に座ります。参列者が座る位置は序列にならっており、若手(と呼ばれる人)が序列の高い順、序列の低い順、と何度もついで回ります。

序列順に昇ったり下がったりしてついで回ります。
序列順に昇ったり下がったりしてついで回ります。

そうしていると、「潮ふり」が登場しました。その名のとおり、清めの海水を笹の葉を使ってふりまきます。潮ふりの前には大根で作られた男根がくくりつけられています。「あれってなんで?」と遊び仲間のおじいさんたちに聞いたら「笑い種やろ」と返ってきました。そりゃあその意味もあるだろうけど、絶対元々はちゃんとした意味があって始めたことでしょう、まったくあてにならないじいら(おじいさんたち)だ!!

毒々しいピンク、ひじきの毛。キッツイ。
毒々しいピンク、ひじきの毛。キッツイ。

多分子孫繁栄とかそんな感じではないでしょうか。毎年色々趣向を凝らしているみたいで、今年は根本に生のひじきがついていました。

わたしの友だち・じいら。
わたしの友だち・じいら。

大根で作るのはコレだけではありません。潮ふりに続いて神社に到着した「折持ち(おりもち)」の運ぶ折(おり)の中には大根で作られた船があります。それに供え物の海の幸を乗せて運ぶのです。わかめやひじきなどの海藻類、そしてイノカイ、アワビなどの貝類が乗っています。船は漁業組合の長と各宿からの計3つ作られます。

折には飾りの梅の花も飾ってあり、これまた大根で作られたウグイスがぶら下がっています。
折には飾りの梅の花も飾ってあり、これまた大根で作られたウグイスがぶら下がっています。

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これらを会場に運ぶのには決まった型があるようで、何度かスクワットのような動きをします。多分お辞儀の代わりだと思うのですが、ちょっとやりすぎでは?と思うような回数をこなす場面もありました。ちょいちょい悪ふざけはさんでくるよね。

 

その後、若者が1人大盃でお酒を飲んだ後に、参列者皆で祝詞(のりと)をあげます。

 

菅島の弓祭りの様子はこちら突撃!隣の離島の祭り

 

大盃に酒4升!?ほとんどがこぼれます。
大盃に酒4升!?ほとんどがこぼれます。

そして、お神酒をまた何度かついで回った後に、再び祝詞をあげ、お神酒を飲むと祭りは終わりです。最後は漁業組合の長が挨拶、そして万歳三唱で解散とあいなりました。

祝詞の文句は扇子に書いてあります。
祝詞の文句は扇子に書いてあります。

祭りが終わった瞬間から神社の中の女人禁制が解けます。ここからが女性の仕事の時間で、各々家長が貰っていた膳を引き取りに来ます。女性のみの世帯や忌まわり(喪中)で神事に参加できない家の人なども、膳をもらいに来ます。わたしもいただきました。この膳の一部と、家で用意した赤飯などを船に供えると神事は終わりです。早い人はもう今晩のうちに旅行に出かけて行きました。

膳の配給。
膳の配給。

 

桃取弓引き神事の様子はこちら早朝の弓引き神事

 

船と供え物。
船と供え物。

和具の祭りは全体的にゆるめです。あまりピリピリしていません。段取りもちょっとぎこちないときがあります。女人禁制ですが「まあ入ってもええやろ」と軽~く言ってくる人が結構います。そんな祭りですが、工夫と協力で成り立っている祭りだとも感じました。昔はもう少し活気があったでしょう。青年団が盛り上げたでしょう。だけど、本当に大事な所だけはなんとか残して、少しでも人が集まるように笑い種も入れて、細々とでも続けていこうとしているのです。

 

今日は少しだけ、自分が女だということをもどかしく感じました。男だったらきっと中に入って色々仕事できたんだろうなー、って。わたしができるのは、こんな面白い祭りがここにありますよ、と発信することかな、と思うのでこうやって記録しておくことにします。

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コメント: 2
  • #1

    濱口一利 (火曜日, 06 3月 2018 20:50)

    和具の神祭、詳しく分かりました。中学生の時(随分、昔、むかしの)見に行って以来。
    委員長も頑張っていますね!

  • #2

    いがちゃん (火曜日, 06 3月 2018 21:08)

    和具の人が答志の神祭に行かない以上に、答志の人が和具の神祭に来ることはまれでしょうね。
    今年見ていた限り、小学生は何人かいましたが、中学生はゼロでした。