こんにちは、三重県鳥羽市地域おこし協力隊の五十嵐ちひろです。2017年4月に鳥羽市に4つある有人離島のうちの一つ答志島(とうしじま)へ移住し、活動中です。
さっそく表題についてお話したいと思います。
一般的な解釈として、「家」や「家族」というのは暖かくて優しい、ポジティブな印象を与える言葉です。「アットホームな職場です」とか「みんなが家族みたいな土地です」とかひとまずアピールポイントとして使う風潮がありますね。
島の中の集落は大きな家族のような部分はあって、その為に子育てに適した土地ですよ、なんて話を以前したこともあるのですが、わたしが今回したいのは、そんなほっこりエピソードによる島自慢ではありません。
この島で暮らし始めて思ったこと、それは、「島民は島の中を家だと思っているんじゃないか・・・?」ということ。
なぜそう思ったかと言うと、島の人たちの服装がまるで家にいるみたいだから。多くの人は、島内で過ごすときはジャージです。今の時期は寒いのでその上にウィンドブレーカーを着たり、ネックウォーマーで顔を覆ったりと防寒していますが、いわゆるおしゃれとは無縁の世界。
なので、島に来てすぐに、島の人と観光客を見分けることができるようになりました。顔や名前を憶えていなくても服装を見ればいいだけ。簡単なことです。
商店へ行っても、市場で働いている人を見ても、道行く人もみな大体似たような恰好をしています。だけどそんな中異質な場所があります。それは定期船乗り場です。
これから島の外にでかけようとする人たちは、基本ちょっといい格好をしています。普段穴の開いたジャージをはいたお母さんもスカートをはきますし、帽子とネックウォーマーで顔を隠したおばあさんもお化粧します。漁師さんは長靴をスニーカーに履き替え、ジーンズなんかはいちゃったりします。若い男の子とかはそれはすごい変貌ぶりで、ちょっと声をかけるのをためらうほどです。
わたしはそれを見て、「ああ、島の人にとっての外出って、家の外に出ることではなくて、島の外に出ることなのね」と思ったのです。だから、島の中にいる限りは家にいるのと同じだし、島の中で会うひとは、着飾らなくていい存在。家族みたいなもんなのかな、って。
かくいうわたしも、島の中ではほとんどスカートなんてはかないし、風呂を済ませてからスッピンで飲みに出かけるのが板についちゃっているし。すごく楽です。
以上、服装から見る「島は家で島民は家族」理論ですが、わたしは答志島のこういうところ、大好きです。みなさんはどう思いますか?
島民の服装についてイラスト付きで掘り下げた記事もあります。
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