餅まきって見たことありますか?
わたしは実は29年生きてきて一度も餅まきを見たことがありませんでしたが、なんの縁か、答志島に来てからもう2度も餅まきに遭遇しています。
餅まきとは
餅まきとは、上棟式(家の骨組みができたとき)にその家の中や屋根の上から餅をまく儀式です。それが転じていろんなお祝い事でもするようになったとか。和歌山とか三重あたりは結構餅まきが盛んだと聞いたことがあります。三重っておみやげ物もお餅が多いし、三重の人はお餅が好きなんでしょうか。
いつやるの?
上に書いたように、基本的には上棟式、建前の際に行われますが、最近だと家が建ってからの方がやりやすいので、完成後にやる家もあります。骨組みだけの家に足場を作ったり、用意した餅を運び入れたりというのは大変なので、そういった段取りのできる大工さんも最近は少なくなってきているとか。以前「おいやれ」のときに説明したように、8月はお祝い事は行いませんので、8月に完成した家の餅まきは9月1日に行われました。
まくのは餅だけ?
答志の餅まきでは、紅白のお餅のほかにおひねりがまかれます。昔はザルやバケツが一緒にまかれたそうですが(なぜ!?危なくない!!?)最近は餅とおひねりがスタンダードです。答志の方言でまくことを「ばーせる」と言うので、「どこどこで餅ばーせる」という風に人に伝わります。
だれが参加できるの?
この餅まき、島で行われるのを見ていると、どうも招待が無くても誰でも参加していいみたいです。なので、いまいち誰の家が建つのかわからないままに行ってきました。ちなみに餅をまくのはその家に住む人のほかに、親戚も一緒にやります。餅やおひねりの用意もすべて行うので、まく人が多いほど、まかれる物も多くなります。
必要なものは?
餅をひろいに行く人たちはみんな段ボール箱やかごを持って行きます。箱でキャッチしたり、地面に落ちて拾ったものを入れたりするのに使います。袋でももちろんいいのですが、箱の方が扱いやすいのです。中にはビニールシートや網を用意する人もいます。それらを敷いて、そこに落ちたものはすべて自分のものにするのです。餅にしてもおひねりにしても、けっこう重量があって飛んできたのが当たると痛いですから、帽子やヘルメットをかぶる人もいます。あと絶対に必要なもの、それは「山ほど拾ってやる」という強い気持ち。
参加してみて
もうすごい迫力でした。場所とりの時点でちょっとサツバツとしています。実際に餅がまかれはじめると、おとなこどもじいばあ関係なしに本気の勝負です。自分の足元に落ちた餅だって、自分のものになるとは限りません。ほとんどつかみかけた餅も横からかっさらわれます。横で子どもが転んで泣いていても、お母さんはひたすらに拾い続けます。飛んできたおひねりをキャッチしそこねたら、かなり痛かったです。
成果は?
こんなもんです。やっぱり性格が出ます。わたしのような平和を愛し闘争心の弱いナイーブなタイプには合わない行事だったようです。(普通はこの段ボール箱の底が見えなくなる程度には拾えるはず)
と、餅まきのことを大げさにあしざまに語りましたが、本心では非常に興味深い行事だと感じています。こうやっておめでたいことを、親戚友人だけでなく、近所中の人たちと共有することができる雰囲気っていうのは、いまどきなかなか醸成できるものではありませんから。みんな争いつつも楽しんでいるので、わたしもちょっとだけ家を建てたくなりました。
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#22 TAKI (水曜日, 27 9月 2017 23:44)
水戸にいた頃は近所でもちょいちょい建前があり、餅やら、お菓子やら(おひねりはなかった)が撒かれるのに参戦したものだった。埼玉に来てからというもの、そういった行事に出くわすことはなくなったなぁ。
いがちゃん (金曜日, 29 9月 2017 08:56)
TAKIさん
時代と都市構造と両方が影響しているのだろうね。そういう行事の存在すら知らなかったもん。初めて見て参戦して新鮮だったわ。