先日わたしの住む和具地区では「井戸替え」が行われました。
井戸替えってなんだかわかりますか?
一般的には、井戸替えは井戸の水をいったんすべて抜き、中を掃除することを指します。
実家の周りには井戸は無かったし、井戸の管理について考えたこともなかったので、なんとなく井戸って一回掘ればそれで勝手に使える状態が保てているものだと思っていたのですが、ちゃんと手入れしなくてはならないんですよね。改めて考えてみれば当たり前のことでした。
答志島にはたくさんの井戸があります。鳥羽の本土から海底を通った水道が来るまでは、井戸水を生活用水としていました。しかし、やはり海が近いために塩が混じってしまうので、飲用には山からくる真水の出る井戸や池まで水を汲みに行かねばならず、なかなか大変だったようです。現在では井戸の水は、家の外で魚をさばくときや、海で使ったものを洗うときなどに使われています。
この井戸替えは夏の年中行事として行われます。ポンプを使って井戸の水を汲み上げ、その水を利用して周辺の側溝の清掃もしてしまう、一石二鳥です。
町の消防団が中心となってやりますが、井戸ごとに近所の人たちや、井戸の持ち主が加わり一緒に作業をします。
溜まっていた水が汲みあがり、底が見えたら、底にある汚れた石を拾い、代わりに浜で拾ってきたきれいな石を投入します。この石は、わたしの予想では水をろ過する為のものだと思うのですが、周りの人に聞いたら「多分そうだろうなあ」とか「特に意味はないけどまじないみたいなもん」という答えが返ってきたので、井戸替え自体がもう形式的にやっているものなのだということでしょう。最後は信心深い答志島らしく、お清めにお酒を供えます。
和具地区では、今回は6基が井戸替えされました。毎年井戸替えする井戸もありますが、大体3~5年に1度やるのが一般的だそうです。この日の作業は約3時間で終了となり、後はみんなで美味しいホルモンをつつきながら夕方まで一杯やったそうです。作業の時間より打ち上げの時間の方が長い。そのためにやっているんですもんね。お疲れ様でした!!
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